私は急いでトイレに向かった。すでに5 名ほどの列が出来ている。

トイレには黒いビニール袋がかけられていて、自分でトイレにビニールをかけ、用をすましたら自分の分に凝固剤をかけて、袋を閉じて捨てるというものだ。トイレに袋をかけるのにはちょっと戸惑う。使用された便蓋を触るのは嫌だけど、仕方がないので我慢した。何とか済ませ、水がとまっていて手洗いができないことに気付く。そのまま講堂に急ぎ戻り、リュックからウエットテイッシュを出し手をふく。ついでに顔も、埃だらけでウエットがまっ黒くなり驚いた。

私

お待たせしました。どうぞトイレいかれてください。これウエットテイッシュです。手を拭けるのでどうぞ使ってください。

お隣さん

結さん

わあ、ありがとうございます。

やっと結さんの助けになれたと思い、嬉しかった。

しばらくすると、結さんが戻ってきた。トイレ待ちの列が30人くらいになってきたとのことだった。この体育館にはすでに300人くらいはいるように見える。この後もどんどん人が増えていきそうだ。今に体を横にする場所もなくなりそうだなと、心配になった。