余震に怯えながらも、一番大きな揺れから生き残り、命の危険を感じる緊張感からは少し緩み、疲労でいっぱいで頭ではなにも考えられなくなって、喋る気力も無くなって、私は放心状態になってしまっていた。

携帯をみると友人からのLINEが来ていた。

私

生きてたんだ、良かった。

安心して、涙が出た。

お隣さん

結さん

どうしましたか?

私

いえ、友人からメールです。一番仲良くって、生きていてくれたから、うれしくって。ずっと心配で‥。

お隣さん

結さん

それは本当に良かったですね。

私

はい…!明日、一緒に映画に行く予定だったんです。「映画には行けないね」って連絡が来て。行けるかっての!

私は、ほんの少し日常が取り戻されたようで安堵し、泣きながら笑っていた。結さんもつられて笑ってくれた。

私

結さん、本当にありがとうございました。結さんがいなかったら私、一人でどうしていたかわかりませんでした。防災のこと、もっと知っておけば良かった。

お隣さん

結さん

いえいえ、私も東日本大震災経験者の友人に勧められてホームページなんか見ていたんです。少しでもお役にたてたならうれしいです。私こそ1人にならずに心強いです。2人でなんとか頑張りましょうね。

被災から早3時間。もう暗くなってきている。結さんが大家さんに避難所の状態をLINEしている。少し経つと、大家さんからLINEが返ってきた。

大家さん

大家さん

火事は大丈夫だったわ、ひとまず安心ね。うちのマンションには14世帯住んでもらっているんだけど、自宅にいた人は私たちを入れて9人だったわ。あの後、2人合流したの。

3階の方が1人、冷蔵庫が倒れて足を怪我してしまったわ。声が届かなかったから、発見が遅れてしまって…。病院には運んだのだけど、心配だわ。

大家さんたちがカギを開けて地震から2時間後に発見したそうだ。
結さんが言っていた、クラッシュ症候群が心配だ。

大家さん

大家さん

もう1人は、1人暮らしの女性で、玄関まで荷物がたくさん倒れてて、ドアまで辿り着けなかったみたいで…。玄関から入って行ったら、一人で薄暗い部屋の中で泣いていたわ。怖くて動けなくなってしまったみたい。今は落ち着いて、みんなで一緒にいるわ。

みんな自宅を片付ける気力もなくなっているから、1階の空き部屋をひとまず拠点にすることにしたの。眠れるようにも準備したわ。火災も無かったし、戻ってきても大丈夫よ。

お隣さん

結さん

大家さんからのLINEによると、戻っても大丈夫そうですよ。どうしますか?

私

自宅に戻りたいです。

結さんは大家さんに「朝一番に帰ります。」とLINEをした。

お隣さん

結さん

早く横になって、少しでも休まなくちゃ、明日からも大変ですから。さあ、寝ましょう。

私

これから、長い長い、過酷な避難生活が始まるのですね。

お隣さん

結さん

そうですね。でも、みんなで力を合わせればきっと大丈夫。そう信じましょう。

CHAPTER#06「避難所の現実。」

「避難所につけば、国が何とかしてくれるのでは。」そんな思いが打ち消されます。
まずは場所取り。早い者勝ち、それに声の大きな人が優位になってしまいます。今までの地震では救援物資は届くのはおおよそ4日後でした。
首都直下では国の主要機関が被災するであろうことから、指揮系統の途絶により、もっと時間がかかる可能性もあるのではと言われています。またその避難民の多さから、公私にかかわらず避難所は多数設営されると考えられます。それにより届く物資の量、質に差が出る可能性が高いのです。当初は食事や水も不足がち。もともと住むための場所ではないため、床は固く、照明は明るすぎる。プライバシーはなく、トイレは少なく長蛇の列、少なすぎる。夏は暑く、冬は寒い。特にトイレの絶対数の不足、劣悪環境は「関連死」につながると、「避難生活の重要問題」となっています。
避難所のみんなが、出来るだけ協力し合い、少しでも生活環境を整えたいですね。

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