避難所の中では、みんな一様に疲れた顔をしている。泣いている人、茫然としてい人、怒鳴っている人様々だった。
携帯を見ると、被災してから2時間あまりの時間が経っていた。たった2時間前にはいつもの日常があったのに。
私は、なくしたもの大きさに茫然とした。しっかりしないといけないのに、疲れたのか頭がぼーっとしている。これからどうなるんだろう。結さんは、携帯で情報の検索をしていた。
隣の家族の子供が、お腹が空いたと泣いている。そういえば私も今日はまだご飯食べてなかった。ショックと緊張で空腹など考えなかった。
私と結さんは持ってきた段ボールを下にひいて座った。冷たい床にそのまま座らずに済み、ありがたく思います。
私
ご飯やお水はいつ配布されるんでしょうか?
結さん
今日は無理なんじゃないでしょうか。
私
えっ、ないんですか?
結さん
ここは小学校併設ですから防災備蓄は小学校のものがあるはずですが、避難所管理体制が出来てからだと思います。避難所で生活する人の人数など、長期対応を考えていかないといけません。近隣の県からの援助物資が届いたり、避難所の皆様が協力して備蓄のコメなどを炊き出しという形がとられるようです。
結さん
東日本震災でも、当初の3 日は1日1回、1個のおにぎりだったそうです。首都直下地震では大量の避難者で食品も大量に不足すると考えられていますから。もっと時間がかかるかもしれません。
私
そうなんですね…。でもちょうど実家から食べ物が届いたところだったから、家に帰れば食料は大丈夫だと思います。
私
あ!でも、そういえば停電してるんだった。冷蔵庫、大丈夫かな…。
手持ちのスナックを二人で分けて食べることに。
結さん
少し食べておきましょう。
口が渇いているから、お菓子が呑み込みにくい。水も限られているし、トイレに行きたくなると困るので小量だけ水分を取った。
結さん
水分はこまめにきちんととりましょう。水分をとれないと、脱水症状がでると、危険ですから。
携帯での情報検索を終えた結さんが、言った。
結さん
ちょっと色々聞いてきますね。場所取りも重要なので、ここで待っててもらっていいですか?
私
わかりました。ここで待っていますね。
少しすると結さんが戻ってきた。
結さん
近くで小さい火災があったようですが鎮火したようです。ほかは今のところ火災の情報はないようです。良かったですね。
結さん
あと、やはり今日は食事や水は配れないそうです。みんなショックでお腹もすかないでしょうからまだ大丈夫でしょう。明日には、自宅に戻る人もいるので、避難所での居住者が決まってきたら、みんなに手伝ってもらっての炊き出しが始まるでしょうとのことです。
結さん
今のうちにトイレに変わりばんこに行ってきましょう。まだ大丈夫だと思いますが、3時間ぐらい過ぎるとトイレに行きたくなりますから。先に行ってください。まだ仮設トイレがなく、トイレの数が少ないので。
私
わかりました、急いで行ってきますね。
結さん
体育館のあちらの横だそうです。