路地を抜けた。余震が続いているため、途中途中で立ち止まったり、避けたりしながら歩いていく。結さんは、車の交通が止まっている場所では、路地の真ん中を歩きます。
結さん
ビルからの落下物が一番怖いので、ビルからできるだけ離れて歩きたいんです。
結さん
少し先の銀行の横に行きましょう。
ひとまずついていく。少し歩くと、グレーの公衆電話があった。こんなところにあったとは、知らなかった。
受話器は落ちているものの、壊れてはいないよう。
結さん
さっき、公衆電話の位置を検索しておいたんです。
結さん
お母さん、私は無事だよ。怖かった。心配しないで、元気だから。あとでLINEするから見て。また電話もかける。じゃあね。
結さん
次、どうぞ。
私もあわてて実家に電話する。
私
もしもし、お母さん?怖かったよ。家にいたんだけど、今お隣さんと一緒に避難してる。
声を聞いただけで、涙が溢れてきた。
私
うん、大丈夫。また連絡するね。LINEもお父さんやお兄ちゃんに伝えて。じゃあね。
つながるなんて思わなかった。結さんによると、被災時は公衆電話の方がつながりやすいとのこと。知らなかった。
私たちが使っているのを見て、すぐ人が並びだした。結さんは公衆電話の電話番号を携帯にメモをして離れた。
結さん
ではいきましょう。
そのまま大通りに抜け、進んでいくと避難場所に指定されている大きな小学校が見えてきた。避難所を目指す大量の人の流れに驚く。
CHAPTER#04「避難所への道のり。」
避難所のへ道の間にも余震が続きます。二次被災に気を付けながら避難所まで進みます。
ブロック塀が倒れたり、ビルの壁面が崩れたり、屋根の瓦を落ちたりで迂回を余儀なくされたり、傷つき助けを求める人も。
避難所には被災直後の広域避難所と一次避難所(指定避難所)と、避難生活を送る避難場所と福祉避難所があります。想定されている首都直下地震の被害予測では、避難所での収容人数は、全ての避難者を収容することはできません。170万人の入れない避難者が出ると想定されています。また、入れてもその避難生活は、より過酷なものとなると考えられています。自宅や学校、オフィスでの避難が重要になっているのです。
そのために、自宅でできる避難生活を想定し準備をしましょう。