皆で、空き部屋に移動した。家具などが何もないので被害は少なかったようだ。
時間が経ち、段々日も暮れて薄暗くなってきている。集まった人はそれぞれラジオや携帯で情報収集をはじめている。
結さん
学生さんのように動けなくなってる方もいるかもしれないので、返事のなかった部屋も一応確認した方がよさそうですね。それに通電火災が危ないから、ブレーカーを下げてこないと。
大家さん
そうね。管理人室のマスターキーを取りに行きましょう。
大家さんと2階の男性は、あとから地域集合場所に移動して、近隣の情報や救助等に関して、地区の人々と相談しようと話していた。
結さん
私たちはこれから避難所に向かおうと思っています。大家さんは、避難所に行かれますか?
大家さん
このマンションは道路沿いだし、他の住人の方が見てきてくれたんだけど、まわりに煙も見えなかったみたいで、火事も起きていないようだったから、ひとまず大丈夫。でも、まだ近隣の様子は詳しく分からないし、女性は危ないかもしれないから、あなたたちは避難所に行ってらっしゃい。
大家さん
もしもの時は避難しなくてはいけないかもしれないから、そちらの様子を知らせてもらえるかしら。このマンションに戻れそうなら、私からメールするから、その時は戻ってきたらいいわよ。
大家さんと、携帯でメールアドレスとLINEを交換した。怪我をしたお母さんとお子さんも、家族が帰ってくるかもしれないのでもう少しここにいるとのことだった。
学生さんも、他の部屋の方たちの確認を手伝うとのことだった。
お互いの無事を祈りながら、別れた。
CHAPTER#03「助けあい、生き延びる。」
続く余震の中、身を守りながら避難所まで出発です。瓦礫をよけ。上から落ちてくるものを避け。瓦礫などの粉塵。様々な音、臭い。まずは、自分たちの周りの方の安全も確認しましょう。大切なのは、共助です。一人の力は小さいけれど、助け合えれば生きる力も倍増です。その後続く長い被災生活でも、助け合いは重要。お住まいの隣の方はご存じですか?