電気がきれて薄暗い部屋の中、余震におびえながら、自室にもどった。呼び出し音を頼りに、携帯を拾いだす。

私

ありがとうございます、携帯見つかりました。すぐに戻りますね。

携帯の他、すぐ持ち出せた通勤の時のバック、食べるつもりだったスナック菓子、玄関近くにダンボールのまま置いていたペットボトルの水を2本持った。玄関近くに落ちていたキャップに、そばのあった文庫を入れ被る。

先に準備が終わった結さんが玄関にいた。結さんは、ヘルメット、リュックにスニーカー。マスク、手袋、ホイッスル、ライト、首にタオルまで身に着けている。対する私は、スリッパのままだった。

お隣さん

結さん

バックは背負えるものが一番です。少なくても肩掛けで、靴も動きやすいものに履き替えましょう。それから上着も必ず持ってきてください。

指摘され、入り口近くにおいていた、スポーツクラブに通っている時のリュックに入れ替え、ジャージ、タオルなどをリュックに入れた。

お隣さん

結さん

それでは、避難所を探しましょう。

結さんは携帯のアプリでさくさくとこの近くの避難所情報を出してくれた。前にアプリを入れていたそう。

お隣さん

結さん

そういえば、ブレーカーは落としましたか?

私

ブレーカー?なぜでしょう?

お隣さん

結さん

ちょっと靴のままで失礼しますね。

結さんが玄関近くの配電盤のブレーカーを落としてくれた。

お隣さん

結さん

停電が復旧した時に、倒れた家電や切れた電線などから火災の元になるのでブレーカーは落としていきましょう。

私

そうなんですね、怖いですね…。わかりました、ありがとうございます。

お隣さん

結さん

そうだ、固定電話はありますか?

私

携帯だけしか持っていないです。

お隣さん

結さん

なら大丈夫です。固定電話の受話器が外れていると、通話状況になってしまって、安否確認で電話をしても通話中になってしまって、相手からの電話を受けることができなくなるんですよ。

地震直後は、固定電話の受話器が元の場所に戻っているかの確認も必要とのことだった。結さんはなんでも知っていて、心強い。反面、自分がなにも知らないことを痛感する。

お隣さん

結さん

さぁ、避難所に向かいましょう。外に大家さんもいるといいのですが。

CHAPTER#02「生きるために、逃げる。」

永久に続いてしまうんじゃないかというような大きな揺れが止まり、顔をあげ、周囲の惨状に愕然としてしまいます。
まずは冷静に、その時にいる場所や住んでいる場所の安全性の確認が重要です。ビルなど建物自身の安全性、耐震基準は知っていますか?
都内にお住まいの方でも津波が心配の場所や、住宅街の入り組んだ細い路地、裏に小高い山を削った場所があるなど環境は様々。その中で避難を選択した場合、一時避難所に向かうことになりますが、場所は知っていますか?
独りより2人。一緒に行動できる人はいますか?事前に分かっていれば、動けることも多いのです。

  • 動く
  • 逃げる
  • 助ける
  • 余震
  • 身の安全